住宅ローンはどう選ぶ?

 

住宅ローンの種類

住宅ローンの金利タイプは、大別すると「固定金利型」「変動金利型」、そして「固定金利期間選択型」の3種類に分けられます。各金利タイプによって仕組みや特徴が異なるので、メリット・デメリットを理解したうえで、自分のライフプランや考え方に適したものを選ぶことが重要です。

  1. 固定金利タイプ

    フラット35に代表される「全期間固定金利タイプ」のものと、旧公庫ローンに代表されるような途中(11年目から変更されるものが一般的)から金利が変更される「段階金利タイプ」の2種類に分類されます。

    最近では、フラット35とは別に、独自の長期間の住宅ローンを販売する金融機関も多く登場しています。その場合には、「10年超~15年以内」、「15年超~20年以内」、「20年超~35年以内」と期間を区切り、金利もその期間ごとに異なるケースが一般的となっています。

    固定金利タイプのメリットは、まず、予め返済額が確定していることから住宅ローンの返済計画やライフプランが立てやすいこと、また、金利が予め決まっているので、市場の金利動向に影響を受けないことがあげられるでしょう。つまり、金利が低いうちにローンを組んでおくことで、金利上昇リスクをヘッジすることができます。しかし反面、高金利時にローンを組むと金利が下がったときに金利低下のメリットを享受できないということがデメリットとなります。また、変動タイプのローンに比べ、金利が比較的高いので毎月の返済額が高めになることには注意が必要です。

  2. 固定金利期間選択タイプ

    ●借入れ時に総返済額は確定しない

    当初一定期間の金利を固定するタイプのローンで、固定期間の終了時点で、再度変動金利か固定金利かを選択するものが一般的です。ただし、固定金利を再選択する際には手数料がかかるなど、金融機関によって多少取り扱いが異なるため事前に確認することが望ましい。金利を固定できる期間は、1~20年等と金融機関によって異なります。

    このタイプのメリットは、選択する当初固定金利期間によっては現在の金利情勢では金利が低く抑えられるので、一定期間の月額返済額負担が抑えられること、そして、固定金利期間が終了した時点でその時の金利情勢に合わせて再度金利タイプを選びなおせるということが挙げられます。デメリットは、一定期間の金利は固定できるものの、固定金利期間終了時点ではその時の金利が適用されるため、例えば、借入れ後に金利が上昇すれば返済額が増大する、あるいは、借入れ時には期間終了後の適用金利が不明なため返済額が確定しないので、ライフプランを立てにくいということです。

    また、何年の固定期間を選択するのが有利なのか、あるいは金利優遇についても、全期間金利引き下げ型と当初期間金利引き下げ型のどちらが有利かは、当初の借入期間だけではなく、最終的に何年で返済するのかによっても異なりますので、十分に検討する必要があります。

    ●固定期間終了時の返済額の変動に注目

    固定金利期間選択タイプローンの最大のリスクは、約束の固定金利期間が終了した際に適用金利が上昇していた場合、変動金利タイプローンと異なり、金利変動時の返済額の変更幅に上限がないため、返済が困難になる可能性があることです。そのため十分な注意が必要となってきます。

  3. 変動金利タイプ

    民間の金融機関が多く取り扱うタイプで、一般的に年2回(4月と10月)市場の短期金利に連動した貸出金利(新長プラ)を基準として金利が見直されます。金利の上昇(あるいは下落)によって返済額が変わるので、高金利時に借りると将来金利が低下したときは、それに合わせて返済額も下がりますが、低金利時に借りると金利の上昇により返済額も増えるため、借入れ時に将来の返済額を確定できません。

    ただし、元利均等返済の場合、金利の変更がなされても、毎回の返済額のうちの元本と利息の充当割合が変わるだけで、実際には返済額は5年間見直されないため(5年ルール)、急激な金利上昇期には上昇した金利によって増えた利息が元金に組み込まれて、元金が増えてしむこともあります。

    特に、超低金利の状況では、将来金利が上昇することが十分に考ええるため、金利上昇ペースを考慮したさまざまなシュミレーションを行い、返済負担の増大で家計に破綻をきたさないか確認をしておくことが大切です。

    変動金利タイプを選択する人は、このタイプの金利リスクを十分に理解しすることが欠かせません。例えば、低金利時に繰り上げ返済を実施して借入元本を減らしておくことや、金利が上昇しても問題がない範囲でローンを組むなど、将来の金利上昇リスクをヘッジすることが重要です。

    ●返済額の変更ルール

    適用金利は年2回見直されるものの、毎回の返済額は5年間一定(つまり5年ごとに変更)で、適用金利の変更は毎回返済額のうち元金部分と利息部分の金額を変更する形で調整されます。ここで注意してほしいのですが5年間返済額が変わらない点を、5年間適用金利が変わらないと誤解する人がかなりいます。適用金利は半年ごとに見直されて上下したとしても、元金と利息をあわせた返済額を一定にしていることを十分に注意する必要があります。

    すなわち、適用金利が上昇すると毎回返済額のうち利息部分が増えて元金部分が減り、適用金利が下落すると利息部分が減って元金部分が増えるということです。

    ●未払い利息について

    変動金利タイプの場合、5年ルールと125%ルールがあり、毎回返済額の変動に大幅な変動がないように措置を取られていますが、適用金利が大幅に上昇すると毎回返済額のうち利息部分の割合が大きくなり、利息金額が毎回返済額を上回るとその上回った部分は「未払い利息」となります。未払い利息は免除されるわけでなく、毎回返済額に上乗せして繰り延べて返済するか、最終返済日に一括して返済することになります。そのため金利上昇の可能性が考えられる場合は、その点も十分に確認が必要となります。

    ●遅延損害金

    ローンの返済が滞った場合は通常、ペナルティとして遅延損害金が課せられます。利息の上乗せというイメージで、年率14%、14.6%といった具合に表示されます。

    以上、3つのタイプの住宅ローンの説明をしてきましたが、いずれにしても返済シュミレーションをよく行い、家計のキャッシュフロー分析をしたうえでご自分に合ったタイプのローンを選ぶでみてください。

 

住宅取得前のアドバイス

人生の長期計画であること

職業は自営業かサラリーマンか、サラリーマンなら転勤はあるのか。いつ頃結婚して子どもは何人希望しているのか。近年では専業主婦家庭のみでなく、夫婦共働きという選択肢も一般的であり、また場合によっては結婚しないとうこともあるでしょう。それぞれ男性と女性では対応も異なります。親の年齢や財産、同居するか否かの意向、介護の可能性なども重要な要素です。住宅は生きていくための本拠地ですから、これからどのような人生を歩むかによってその人に適した住宅が決まってきます。

 

家族計画

居住する家族の人数によって必要な住宅の広さがきまる。したがって、住宅は家族構成が固まってから取得するのが望ましい。結婚するにあたって住宅を購入したいという相談も聞かれるが、将来のライフプラン、特に家族構成の予定が判然としないうちに住宅を購入するのはリスクが大きい。出来れば、家族構成が固まるまでは自己資金を貯める方に専念するのが望ましい。

 

何年後に購入するのか

住宅を購入する最も望ましいタイミングはいつかを考えることは重要です。まず、家族構成が決まってから取得することが望ましいことは先述の通りですが、その他にも希望する幼稚園や学校への通園・通学の便、転勤の可能性、親の介護などそれぞれの家庭の事情で異なります。

昨今は、頭金なしでも住宅ローンを組むことはできますが、頭金がないということは、それだけローンの金額が多くなるということで、将来の負担が大きくなります。したがって、現在の貯蓄が少ない場合は、住宅購入を若干先延ばしにし、その間に自己資金を貯めながら購入のタイミングを見極めることをおすすめします。

物件探しと並行して資金計画を

消費者がどのような生活スタイルを望むかによって物件のターゲットが絞られます。と同時に必要とする資金の額も決まってきます。

例えば、国が推し進める長期優良住宅は、耐震性、耐久性、可変性など、より高度な性能を有する住宅で、長期優良住宅の認定を受ければ、税制上の優遇が受けられるほか、住宅ローンに関しても優遇が受けられる場合もあります。長期優良住宅は一般住宅に比べ建設費がかかりますが、負担可能であれば長期的に見て長持ちするだけのメリットは大きいものです。

このように、物件により資金負担も大きくなることもあり、その負担の可否によって購入する物件の価額が変わってきます。したがって、物件の佐賀市と同時に資金計画を十分に練ることが大切なことです。

 

ライフサイクルと住宅取得計画

ライフサイクルにおける住宅取得の意義

住宅購入は、ライフサイクルの中の最も大きなイベントの一つと言えます。住宅資金は、教育資金、老後資金とともに人生の三大支出と言われています。住宅ローンの支払いの時期と教育資金が必要な時期とはほとんど重なり、なかなか老後の資金まで手当てする余裕がないのが実情でしょう。しかしながら、何れも避けて通れない出費であるので、何とか折り合いをつけて準備していかなくてはなりません。

住宅は、ほとんどの人にとって、住宅ローンを借りて購入するもので、住宅資金の問題はすなわち住宅ローンの頭金の準備と借入れの返済の問題に集約されます。したがってこの問題は、日常の家計の中でいかにローン返済原資を捻出していくかではなく、生涯を通じてのキャッシュフロー分析をよく行った上で資金計画を立てることからアプローチしていかなければならないのです。

住宅の資金計画については、現在のキャッシュフローを出発点とし、住宅取得費、こどもの進学等に要する教育資金、自動車の買い替え、配偶者のパート収入、退職金や年金受給を考慮に入れた老後の生活プランを立てることが重要なのです。

自己資金

住宅購入にあたっては、自己資金として頭金を購入価格の2割、諸費用を同1割、合計3割準備するのが望ましいとされています。例えば4000万円の物件を購入する場合、1200万円となる。準備の方法は原則として毎月積み立てですが、もし親からの贈与等で援助があれば、その分はこの金額から差し引いたもの積み立てていくようにします。金融機関の中には頭金なしの満額融資をするところもありますが、その場合、将来的により大きな返済負担を負うことになり、返済リスクは高まります。出来るだけ多く自己資金を用意し、返済リスクを軽減させることが大切なことです。

総返済負担率

住宅ローンの年間返済額の税込年収に対する割合を総返済負担率といいます。適正な総返済負担率はそれぞれの家庭の状況により異なりますが、一般的な子育てファミリーの場合、20~25%以内(他の借入金の返済も含む)に抑えるのが無理のない借り方だとされています。ただし、家計にとって適正な総返済負担率は、家族構成などその家庭の事情や借り入れ条件によって異なりますので、一概には判断できないことも留意する必要があります。総返済負担率が20~25%以内に収まっていても家計が破綻することもあります。資金計画が妥当かどうかは、キャッシュフロー分析をみて判断することが必要です。

自己資金収入合算

本人の収入だけでは希望する金額の借り入れができない場合、配偶者の収入を合算することで予定の金額を借入することができます。

ただし、収入合算すれば借入可能額は大幅に増加しますが、当然のことながらそれだけ返済額は増加し家計への負担が重くなります。収入合算者の収入が減少することなく、必要な金額を返済金に充当できる状態が続けばいいのですが、何らかの理由でそれが出来なくなった場合は、家計を圧迫することになります。収入合算をする場合は、合算者の就業形態や年齢、健康状態もよく考えて判断する必要があります。

資金不足時の補強プラン

自己資金が多いほど将来の返済負担が小さくなるので、多ければ多いことにこしたことはありませんが、特に若年層の場合は準備できる自己資金の額にも限界があり、そのままではどうしても欲しい物件が購入できなくなるケースがあります。

そのような場合、次のような方法が考えられます。

  1. 親族からの生前贈与
    ローンの頭金の一部を親から生前贈与により賄うなど

    イ. 相続時精算課税制度

    ロ. 直系尊属からの住宅取得資金の生前贈与

    ハ. 贈与税の基礎控除を利用した生前贈与

  2. 親からの借り入れ
    一時的に親から借り入れをする方法。親子間の貸借は、税務上贈与とみなされる可能性があるので、それを避けるために、借用書を作成し、金利も払い、双方で預金口座を持ち、通帳等で借用書通りの返済を行っている記録を残しておく。